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黒澤不動尊旧絵馬について

黒澤不動尊旧絵馬について

                 黒澤不動尊奉賛会副会長
                          降幡隆夫

 三郷村南小倉の山中にある、黒澤不動尊は近くにあった真言宗の古刹、泉光寺の修験道場として開山された。大岩にもたせかけるように建ててあるお堂は、安政二年に再建されたもので、発願者は波田の若澤寺僧侶豊純堯全と記録されている。
 お堂の外陣正面に掲げられた大形の絵馬は、長尾組の大庄屋、丸山円十郎外二十三名によって万延元年(一八六○年)に奉納されたものである。絵馬の図は木曽義仲の愛妾、巴御前と言い伝えられていたが、昨年行われた長野県立歴史会館での『中世、信濃武士伝』の展示物から、平安物語の『木曽の最後』の一場面と解った。敵に追われた義仲を守って、巴御前が敵将を倒す場面である。
 絵馬の作者は和田の絵師、百瀬探民斎守穀【文化三年(一八○六年)~明治三年(一八七○年)】である。探民は江戸で狩野派について絵を学んだ人である。この絵馬は、狩野探龍門人と書かれている。淨心寺先代、村上隆澄上人から生前、和田の無極寺に残る探民の絵について拝聴したことがありました。

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